約 1,709,803 件
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/137.html
用語 願い 読み方 アルカディア 初出 原作8巻 解説 運命の記述に書かれた黒猫の最終目標。 はじめは「仲の良い京介と桐乃がこちらを見ている絵」 8巻末では「仲の良い京介と桐乃と黒猫の絵」として 記述されている。 理想の世界と同義。
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/1081.html
『タイトルコール』 チッチッチッチ…… チッチッチッチ…… 時計だけが静寂を拒絶している。 なんだろうね、この緊張感。 リビングには俺と桐乃、そして親父とお袋がいた。 チッチッチッチ…… チッチッチッチ…… 二杯目のお茶を飲み干した頃、 ピンポーン……ピンポーン…… 「あ、俺が出るよ」 来客の知らせに席を立ち、玄関へ。 「いらっしゃい。待ってたぜ」 「……お邪魔します」 彼女は黒猫。 ショート丈の黒いコートを脱ぐと、スノーホワイトのセーターの胸元に銀のロザリオが揺れている。 「それ、あの時の?」 「……うん。貴方がくれたものだから……」 これは、彼女の本が初めて完売したあの日……黒猫の小さな願いが一つ叶った日に俺が彼女に買ったものだ。 願掛けの様なものだろうか? 大丈夫、きっと上手くいくさ。 「やっぱいいな、それ。よく似合ってる」 「……有難う」 ロザリオに軽く手を触れ、はにかむ黒猫。 うん、可愛い。 だがずっとこうしてても始まらない。 「さ、あがってくれ」 「……お邪魔します」 俺は黒猫を連れてリビングに戻った。 今日は俺の彼女を両親に紹介するという、大切な日なんだ。 ・ ・ ・ 「彼女は五更瑠璃。うちの高校の元後輩で、部活の仲間で桐乃の友達だ。 何度もうちに遊びに来てるから初めてじゃないだろうけど、 俺たち、その……色々あったけど、ちゃんと付き合うことになったんで、改めて挨拶に来てもらったんだ」 「……五更瑠璃です。 いつも京介さんと桐乃さんには大変お世話になっております。よろしくお願いします」 ペコリと頭を下げる黒猫。 だが親父とお袋は真っ青な顔で固まっていた。 息子の彼女ってのもそんなにショックなものかね? さすがにおかしいと思って声をかけた。 「どうしたんだ? 親父。顔色悪いぞ?」 すると親父は震える声で答えた。 「五更……瑠璃さんと言ったね。君のお母さんの名前はひょっとして千夜子さんといわないかね?」 「はい、そうですが……?」 「やはり、そうか……」 ふう……と大きく溜息をつき親父は言った。 「すまないが、俺はお前達の交際に賛成する事はできん」 黒猫は服の裾をギュッと握ったまま俯いてしまった。 桐乃も思わぬ展開にどうしたらいいのか分からないようだ。 「な?! なんでだよ親父! そりゃあ受験を控えたこの時期にふざけるなってのはあるかもしれないけど、 よく知りもしないでいきなり反対はないだろ? どういう事なのか説明してくれよ!」 「……お前達が悪いわけではない。すべては俺の罪だ」 だからそれがなんなんだよ! イラつく俺に親父が口を開いた。 「京介。お前と瑠璃さんは……兄妹かもしれん」 「……は?」 血が上っていた頭が真っ白になる。 「な、何言ってんだよ親父。馬鹿も休み休み……」 「昔、京介が産まれて暫くたった頃だったか……俺は過ちを犯した。 所謂浮気というヤツだ。その相手が……千夜子さんだった。 全て母さんにバレて俺達は別れ、その後千夜子さんは結婚したと風の噂で聞いた。 そのお相手が五更……珍しい名前なので記憶に残っている。 時期を考えると瑠璃さんは俺の娘の可能性が……」 「ふざけるなよ親父! そんな馬鹿な事があってたまるかよ! だいたいお袋だって今迄に何度も会ってるのに気付かないわけねえだろ!」 「ご免なさい。黒猫さんがまさか千夜子さんの娘さんだなんて思わなかったのよ。 ……言われてみれば確かに彼女の面影があるわね」 そう言うお袋も辛そうに視線を逸らす。 桐乃は黒猫の隣りに移り、ガタガタと震える彼女の肩を支えている。 ちょっとまてよ。なんだよそれ。 俺が今まで黒猫に魅かれていたのは、唯の拗らせたシスコンだったとでも言うのか? ありえねえ! そんなの絶対認めねえ! 「親父達の過去に何があったかなんて知った事かよ! 俺達は何も間違った事なんてしてねえんだ。 それにもし、それが事実だったとしても戸籍上は五更の娘だろ? だったら法的にだって問題ないじゃねえか!」 「……それはダメよ」 遮ったのは黒猫だった。 「……私は、私達は、もう過去を知ってしまった。 例え法には触れなくても……私達と、家族の感情は、今迄と同じ様にはいかないわ」 「ならお前は納得できるのか? 明日からただの先輩後輩に戻れるっていうのか?」 「それ……は……」 「そうだよ……好きになったのがたまたま兄だっただけじゃない! 全ては俺の罪だなんて言っておいて、それならなんで子供が罰を受けなきゃいけないの? そんなのって……ないじゃない……」 黒猫も、親父を睨みつけている桐乃も泣いていた。 ごめんな。こんなはずじゃなかったのに。 黒猫の涙と、親父への怒りと、どうしようもない自分の不甲斐なさと、 いろんな気持ちがぐちゃぐちゃになって頭がおかしくなりそうだった。 「……こうなった以上、俺達だけで済む話ではなくなったな。 桐乃。済まないが彼女の親御さんと話がしたい。番号を教えてくれないか」 親父とお袋は、桐乃から受け取ったメモを手にリビングを出て行った。 静まり返るリビングで、むせび泣く二人の妹に俺は声をかける事ができなかった。 やがて、小さく溜息をついた黒猫は、 「……フフッ、皮肉なものね。 散々シスコンだ、ブラコンだと揶揄した結果がこれなんて……」 自嘲するような泣き笑いで言った。 「……兄さんなんて、呼ばなければよかった…… ……告白なんて、しなければよかった…… …………貴方を好きになんて……ならなければよかっ……」 「それは違う!」 言わせるかよ! 「俺達が魅かれ合ったのは血が繋がっているからじゃねえ! 心が、気持ちが繋がったからだろ? 今更兄妹だなんて言われて、はいそうですかなんて、 簡単に納得出来るほど半端な気持ちで惚れちゃいねえよ!」 「……なら教えて頂戴。私達は……どうすればいいの?」 答えられるはずもなく、唇を噛んだ俺の耳に、 時計の音がヤケに煩かった。 ・ ・ ・ 「……大介さん、奥様、ご無沙汰しております」 我が家を訪れ、深々とお辞儀をしたのは黒猫の母、千夜子さんだ。 親父に促されて席に着いた千夜子さんは、俺達を見廻して言った。 「大凡の話は電話で伺いました。……それにしても貴女が好きになった人が まさか大介さんの息子さんだったなんて……なんの因果かしらね……」 「お母さん……」 「それで、あの……」 親父との関係を知り、言い淀んでいると、 「……そうね。瑠璃の父親が誰か、という話だったわね」 「はい」 頷く俺達。 「単刀直入に言うわね。……瑠璃。貴女の父親は……大介さんではないわ。今のお父さんよ」 「……本当に?」 「ええ。貴女を産んだ私が言うのだから、間違い無いわ」 「やったー!」 「……よかった」 俺と桐乃の間で揉みくちゃにされながら、安堵する黒猫。だが…… 「でも、貴方は納得していないようね、大介さん」 「……ああ。その通りだ」 「……本当は血縁があるのではないか? 確たる証拠が無い事を利用し、 娘の倖せを願って偽証しているのではないか? ……といったところかしら?」 「申し訳ないが肉親の証言だけでは弱い……警察官の悪い癖だな」 「……そうね、無理もないわ。頑固だとは思うけれど。 それならば貴方も納得せざるを得ない証拠が必要ね……」 しばし眼を閉じて黙考した千夜子さんは親父に言った。 「……大介さん。貴方のお知り合いにDNA鑑定のできる方はいないのかしら?」 ・ ・ ・ 親父がどこかに連絡し、五更の両親と黒猫、そして親父からサンプルを採取してから数日後、 俺達は今、検査結果を待っている。 ちなみに日向ちゃんと珠希ちゃんはお留守番だ。 確かに子供には聞かせたくない話だよな。 コンコン、カチャ 「いやあ、お待たせしたのう」 「先輩、この度はご無理を言って申し訳ありませんでした」 立ち上がり頭を下げる親父に倣って俺達もお辞儀をする。 この爺さんは親父が昔世話になった人らしい。 「ああ大介よ、頭をあげなさい。皆さんも楽になさって下さい」 席に着いて爺さんの言葉を待つ。 「此度の依頼はこちら、五更瑠璃さんの親子関係を確認したい、という事でしたな。 瑠璃さんとご両親、そして大介から採取したDNAサンプルを用いて鑑定した結果がこちらです」 封筒から取り出した書類を俺達に示した。 「結論から申しましょうかの。 瑠璃さんの血縁は99.99%の確率で……五更夫妻です。大介とは赤の他人じゃな」 「ほ、本当ですね?」 「ああ、間違いないですぞ」 「よっしゃあ!」 思わず黒猫を抱きしめていた。 「ちょっ……皆が見てるじゃない……」 真っ赤になってちょっと苦しそうな黒猫。 「構うもんか! これで証明されたんだ。 もう俺達が遠慮する事なんて何も無いんだよ!」 だが彼女は俺の腕からそっと逃れ、 「……いいえ、まだよ」 「……え?」 彼女はお袋の前まで歩み寄って言った。 「……私と京介さんが兄妹ではない事は証明されました。 ですが……私が千夜子の娘である事に変わりはありません。 それでもどうか……私達の交際を御許し下さい」 深々と頭を下げる彼女の横で、俺も慌てて頭を下げる。 「お袋、お願いだ。俺達の事を認めてくれ。この通りだ」 俺は馬鹿だ。 お袋からすれば、旦那の浮気相手の娘が今度は息子に言い寄って来たようなものじゃねえか。 内心、穏やかであるはずがない。 複雑な表情でずっと考え込んでいたお袋は、やがてポツリポツリと語り始めた。 「……桐乃がね、たまに電話で喧嘩しているの。汚い言葉で、大声で。 それなのに話が終わると妙にスッキリした顔で、なんだか楽しそうなのよ。 その電話の相手が瑠璃さん、きっと貴女だったのね…… あんな態度は学校や仕事の友達といる時には絶対にしないわ。もちろん私達両親の前でもね。 本音をぶつけて喧嘩になっても、絶対壊れないと無意識に信じている……甘えているのかもしれないけど。 そんな相手はあたしの知る限り、京介の他には瑠璃さん。貴女だけなのよ。 だからきっと……貴女はとてもいい娘なのね。恐らく京介には勿体ないくらいに」 そこで言葉を切り、深く溜息をついた。 「頭では分っているのよ。ただ……心がね、気持ちの整理がまだつかないの。 だから、わたしの答えは保留にしてもらえないかしら。 もう少し時間を貰えればきっと……貴方達を心から祝福できると思うのよ」 「……はい。有難う御座います」 今はこれでいい。 あとは二人を認めて貰えるように俺達が努力すればいい。 俺達は再び頭を下げた。 「ふむ。どうやら一件落着のようじゃな。 ……ところで大介よ。ワシは最近歳のせいか物忘れが激しくなってのう。 特に深酒をすると綺麗さっぱり記憶が無くなってしまうのじゃが……どうじゃ?」 「はい。ぜひご馳走させて下さい」 「いやあ、催促しちまったみたいで、悪いね」 爺さんはカッカッカと笑いながら親父の背中を叩いていた。 何も聞かなかった、知らなかった事にしてくれるのか。いい人だな。 「奥さんもどうだい? ご一緒に」 「……そうですね。幸いここにお父さんのお小遣いがタップリありますから」 ちょっと可哀そうな気もするが自業自得だな、親父。 「……京介。これを」 お袋から渡されたのは小さな財布だった。 「……えっと、これは?」 「今回、一番辛い思いをしたのは瑠璃さんなのよ。 だから彼女のことは京介にお願いするわ……優しくしてあげなさい。 それはお父さんのお小遣いの一部だから遠慮はいらないわよ」 「ああ、解った」 「それと……もしあんたがお父さんみたいな事をしたら……あたしがブチ殺すわよ。あんたを」 「あ、ああ。解った」 「さあ、桐乃。あんたも行くわよ」 「ええ?! あたしも?」 「あんたねえ……空気読みなさい」 ううっ……と俺達とお袋達を交互に見比べて悩んでいた桐乃は、 「きょ、今日は特別なんだからね!」 「……ええ。有り難う」 お袋達の方へ駆けて行った。 「……お父さんはね、全てを知っていたの。 それでも私を支えてくれた……愛してくれたの。そして授かったのが貴女よ、瑠璃」 「お母さん……」 いつの間にか黒猫のご両親が近くにいた。 「……瑠璃。京介さん。 私の所為で二人には大変な迷惑をかけたわね……御免なさい」 「……ううん、いいの。私は……私達はもう大丈夫だから……」 「そうですよ頭を上げてください」 「有り難う…………京介さん」 「はい」 「こんな莫迦な母の子で、とても不器用な娘ですが……どうか、瑠璃を宜しくお願いします」 「……はい!」 ・ ・ ・ 二人で街を歩いている。 信じられるか? 俺達、手を繋いでるんだぜ? 大きな壁を越えたからだろうか。 今まで出来なかった事が、ごく自然に出来るようになった。 左手の温もりに倖せをかみしめながら、頭ではデートコースを考えてたりするんだけどね。 まず食事にしようかな。 そうだ、こいつ魚好きだったよな。なら寿司、寿司にしようか。それも回らないヤツ。 幸い軍資金ならタップリあるし、特別な日なんだし……そのくらい、いいよね? 黒猫がくすりと笑った。やべ、見透かされた? 「ど、どうしたんだ?」 「いえ……思い出してしまって。私達が兄妹だなんて莫迦な話もあったものね」 「そうだな……確かに親父達の事には驚いたぜ。 まあ、俺達が兄妹だなんて話は全然信じちゃいなかったがな」 「……あら? それにしてはかなり動揺していた様に見えたけれど?」 「そりゃあ、いきなりあんな話になれば焦るけどよ、 冷静になって考えれば、有り得ない事だってすぐ解るさ」 「そう……参考までに、理由を教えてもらえないかしら」 そう言って俺を見つめる、君の瞳が眩しくて、 「簡単な事さ。あの日、俺達が出会って、 ……俺達の物語が始まった時から、解りきってた結末だったんだ」 「……そう」 傍で微笑む、君の笑顔が嬉しくて、 だから俺は、瑠璃の肩をそっと抱き寄せてこう言ったのさ。 「俺の妹が、こんなに可愛いわけがない」 ってな。
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/680.html
― ゴスロリ? ― 今日は土曜日なのだが、学校で模試があり、たった今(昼過ぎ)に帰宅したところだ。 そして今日、俺の家で「オタクっ娘あつまれー」のオフ会があったりする。 俺は「ただいま」と言って、玄関から階段を上がっていくと…… 「だぁ~か~ら~、そんなんじゃないって言ってるっしょ!」 「フフ、それはどうかしらねぇ? もうネタは上がっているのよ。いい加減に観念なさい」 「まぁまぁ、お二人とも……」 相変わらずの声が聞こえてきた。 ホントに飽きずに喧嘩ばかりしているなぁ、お前らは…… などと思いながらも顔がにやけてきやがる。 俺も同じ穴の狢っていうわけか。 とりあえず自分の部屋に入って鞄を置き、そのまま桐乃の部屋の前に来た。 コンコン―― 「桐乃、いいか?」 そう言って部屋の扉をノックすると、勢いよく扉が開いた。 「遅い! もう、いつまでかかってんのよ」 「まったく、相変わらずノロマね。もっと早く来ることはできなかったのかしら?」 「ぐぐぐ……」 はぁ、こいつらは普段喧嘩ばかりの癖に、俺を弄るときはいつも共同戦線張りやがって…… 「まぁまぁ、京介氏もテストで大変だったのでござるから……」 沙織はそう二人に言うと、俺のほうに振り返って 「京介氏は……わかっているのでしょう。 この二人はこんなことを言ってはおりますが、翻訳すれば 『お帰り兄貴、大変だったね』 『急いで来てくれたようね。ありがとう。待っていたわ』と言っているのでござるよ」 ああ、言われなくてもわかっているさ。 こいつらとの付き合いもいい加減長いから、きりりんガルも黒猫語もマスターしてるぜ。 「ところで、今日は何をする予定なんだ?」 「特に予定は決めていないわね。久しぶりだし、みんなで長話でもいいんじゃないかしら?」 「拙者もそのつもりでござった。なにより、三人のその後はどうなったのか、詳しく聞かねば……」 「「「な、なにを言っているんだ(のよ)!」」」 俺たち三人は一瞬固まりかけたが、 「と、とりあえずその話は置いといて、今日はあんたらに見せたいものがあんのよ」 いいぞ、桐乃。うまく話をそらしてくれた。 桐乃は何やら机の引き出しから取り出すと、黒猫、沙織の二人と俺の間に立った。 「じゃじゃ~ん。今日はみんなでこれを見るの」 そう言って桐乃は得意気にDVDのパッケージを片手に立てて持ち、 黒猫と沙織の二人に向けて中身をパカッと開いて見せた。 俺は桐乃の後ろから、肩越しにDVDのパッケージの表裏が見えたのだが…… そう、それは新作『メルル』のDVDのパッケージだった。 いや、何を隠そう、俺、そのDVDを5回も見せられたよ。 実はついこの前まで桐乃のパソコンが調子悪くって、DVDが見れなかったらしい。 それで俺の部屋にやってきて、「あんたのパソコンでメルル見るから」と強引にな…… 俺は呆れ顔でその様子を見ていたのだが…… なにやら様子がおかしい。 沙織は唖然とした、それでいて「どうすんだこれ?」って顔で頬を掻いてるし、 黒猫にいたっては目を大きく見開いて、口をパクパクして固まっている。 そしてやっとの思いで黒猫が言葉を発した。 「あ、ああな、あなた、こここ、これを、どうしようって言うの?」 「えっ? みんなで見るに決まってんじゃん」 「み、みみみみんなで見るですって?」 「そうだけど」 「ちちちちょっと待って頂戴。き、きき京介? あ、あなたも見るの?」 訝しげな顔で俺のほうを見て黒猫が尋ねてきた。 「おう、実はもう何度も見ちまってるんだけどな、俺」 「な、なななな何度もですって?」 「っていうか、最近まで桐乃のパソコンが壊れちまっててさ。 仕方がないから俺のパソコンで桐乃と一緒にな」 「なななな、なんですって? あなたたち二人でやったというの? これを?」 もう黒猫は信じられないと言う顔で俺たち二人を見ている。 混乱のあまりDVDを指差す手も震え、顔に冷や汗をびっしりとかいて、 瞬きをしきりにしながらDVDと俺たちを交互に見比べている。 沙織は沙織で、どん引きって感じで「ははは……」などと力ない笑いを漏らしている。 「??」 さすがに桐乃もおかしいと気がつき、開いたDVDのパッケージをくるりとこちらに向けると…… 「「なっ!!」」 なんと、そこにはメルルのDVDは入っていなかった。 代わりに入っていたものはと言うと…… 「『ゴス妹』-おかえりなさい、おにぃちゃん-」なんていうエロゲーじゃねーか! しかも丁寧にレーベル面には18禁マークとともに、黒髪ロングのゴスロリ少女の絵が…… これじゃ黒猫のあの様子にも納得がいくってもんだ。 まるで自分を攻略する18禁ゲームをみんなでやろうなんて提案された日にゃぁ…… ――やべぇ、しかも俺、何回もやっちゃったみたいなこと言わなかたっけ? こりゃ、相当誤解されてるぞ、きっと。 桐乃は桐乃で、恥ずかしさで混乱しているのか、「あわわわ……」なんて言いながら、 自分がしでかしたことを理解できていないようだ。 「く、黒猫? ちょっと俺の話を聞いてくれ」 「い、いいえ、聞きたくないわ。まさかあなたの嗜好が、こっ、これだったとは……」 「違~う! いいから俺の話を聞け!」 そう言って黒猫に近付き、両肩に手を置いて説得しようとするが…… 「ひぃっ! ちょ、ちょっとまって! い、い、いくらなんでもみんなの前だし、心の準備が……」 「そうじゃねぇ~!」 黒猫は涙目で真っ赤になって、今にも卒倒しそうだ。 それを見た桐乃はまだ混乱しているのか、 「あ、あんた、黒いのに何やってんの!」 「だから、ちょっとお前ら落ち着けよ!!」 数分後、やっと落ち着きを取り戻した俺たちだったが…… 「だ・か・ら~、間違ったって言ってんじゃん」 「フ…… どうかしら? 案外二人で楽しくやっていたのではなくって?」 「いやいや、いくらなんでも妹とこんなゲームをやる勇気はねーよ」 「おや? 確か京介氏は『しすしす』をきりりん氏と一緒にやったことがあると仰っていたかと?」 「ぐぁ! そ、そこで俺の黒歴史が掘り返されるのかよ」 「クククク…… しかもあなたの嗜好がまたひとつ明白になったわ。 なんなら、この『服』で言い寄ってあげましょうか? ねぇ『兄さん』」 「いや、だから……」 ――ドカッ 「いて~よ」 後ろからクッションが投げつけられる。 「あんたにそんな趣味があったなんて、キモっ!!」 「ねーよ!! っつうか、お前んだろ、このゲーム」 「本当かしらねぇ? ククク…… もしかしたらあなた、わたしの『儀式』の遂行の効果で、 闇の眷属の風習(ファッション)というものがわかるようになってきたのかしら?」 「はぁ? あんた、このエロ猫に誘惑されて、そこまで逝っちゃってるワケ?」 「まぁまぁ、お二人とも抑えて…… そもそも、京介氏は元より拙者のような『眼鏡』と『ふくよかな胸』が……」 「ちょ、なに言ってやがる!!」 「――こうなったら、きちんと確認するほかはなさそうね、この雄の嗜好を。」 「か、確認?」 俺はゴクリと唾を飲み込んだ。 「あー、ベッドの下のあれを見ればわかるカモ……」 「桐乃、お前は何を言っている? っていうか、二人とも無言で部屋を出て行こうとするな。 お、おい、待って! やめろ! いや、やめてください。お願いします……」
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/64.html
570 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 15 41 28 ID XottdvnU0 [4/9] 桐乃「あのさ・・・今度妹ものの小説書こうと思ってるんだけど」 黒猫「またなの?大作家様なんだから書きたきゃ勝手に書けばいいでしょうに・・・それとも、また匿名掲示板で叩いて欲しいのかしら」 桐乃「いいから聞きなさいよ!あのね、今回は兄視点で、オタク趣味に悩んでる妹から、その、人生相談を受けるって話で・・・」 黒猫「まんま自分のことじゃないの。あなたのアタシTUEEE自慢はうんざりなのだけど」 桐乃「い、言っとくけど、自分モデルにしてるのは最初の設定だけで、あとは違うからね!それで、妹は過去に兄貴とすれ違いがあって、 兄妹仲が険悪になってるんだけど、その件をきっかけに仲直りして、だんだん恋心を抱くようになる、って展開にしようと」 黒猫「どこが『あとは違う』なのかよく解らないけど」 桐乃「だから違うんだってば!・・・まあいわ。それで、最後は二人が恋仲になる、って展開にしたいんだけど、どうしても兄が妹に対して、 家族じゃなく一人の女性として好きになる過程が浮かばなくて」 黒猫「私にアドバイスが欲しいと?」 桐乃「・・・うん・・・で、その、どうすれば、兄貴は妹を好きになるかな、ってとこなんだけど・・・」 黒猫「・・・」 桐乃「ちょ、何引いてんのよ!?あくまで小説、小説の展開の話だからね!」 黒猫「・・・わかったわ。小説の話ね。それで?その小説で妹は、どの時点で兄への想いが恋心だと自覚するのかしら」 桐乃「・・・そりゃ、やっぱり最初の人生相談で兄貴が解決してくれた所、からかな・・・」 黒猫「その前は、好きじゃなかったということ?」 桐乃「いや、そうじゃないけど、やっぱり仲良くないのに好き、っておかしくない?」 黒猫「そんな事ないわよ。むしろ、事件解決のおかげで好きになった、では少し動機が弱くないかしら。 何故好きになった、というよりも、最初から好きだったけれど、事件のおかげでその好きって気持ちがさらに強くなった、の方が説得力があるわ」 桐乃「そ、そうかな・・・そうかも」 571 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 15 41 43 ID XottdvnU0 [5/9] 黒猫「あと、その妹の気持ちは本当に恋心なのかしら?頼れる兄に対する信頼感だけでなくて?」 桐乃「・・・?そう言ってんじゃん。だから兄貴が自分をどう思ってるか悩むし、兄貴と、こ、恋人になりたいって思うわけで・・・」 黒猫「妹という立場では無邪気に家族との恋愛、というのを肯定できるかもしれないけど、兄という立場はもっと複雑なのではないかしら。 妹と恋愛をしてしまったら家族という輪が壊れかねないわけだから。 くどいようだけど、妹のその気持は、家族に対するものでなく、一人の男性に対するものなのね?」 桐乃「だーかーらー、そうなんだって!妹だって、家族を崩壊させたいわけじゃなくて、でも兄貴に対する想いがそれを超えちゃったって話でしょ!」 黒猫「つまり、あなたはお兄さんに対して強い恋心を抱いていて、それを成就させるためにどうすればいいのか、と私に聞いてるわけね?」 桐乃「そうよ!最初からそう言ってるでしょ!?兄貴のことが好きで好きでたまんないの!でもどうすればいいのかわかんないの! 家族関係が崩壊する?そんなの、今までだって危機は何度でもあったじゃない、兄貴はそれを全部乗り越えてくれたじゃない! だから、もっとあたしだけを見て欲しいの!家族関係のため、なんて言い訳で他の娘にちょっかい出すとか、あり得ないでしょ!? こんなに兄貴のことが好きなのに、兄貴はあたしのこと、その程度にしか見てないってこと?そんなわけないじゃない、あたしのこと好きって言ってくれたよね!? あたしだって、あたしだって・・・兄貴のことが、大っっっっっっっ好きなの!」 黒猫「・・・」 桐乃「・・・あっ」 黒猫「・・・」 桐乃「・・・その、今のは、しょ、小説の話・・・」 黒猫「そういう言い訳をするところに問題があるんじゃないかしら」 桐乃「・・・じゃ、じゃあ何、だから何よ、だったらどうすればいいってのよ!?」 黒猫「ちょっと待って・・・最近の携帯は色々と機能が多くてね・・・」 桐乃「はぁ?何を急に・・・あっ」 黒猫「送信完了」 桐乃「ちょっと!何!今何したの!?」 黒猫「何って、あなたの人生相談を解決しようとしたのだけど?お兄さん同様、私のことも少しは好きになった?」 桐乃「よ、寄越しなさいっ!『妹が大事な話があるそうだから今すぐ秋葉原に来なさい ↓妹による告白のリハーサル風景!』 って!?音声データまでっ!?」 京介「き、桐乃っ・・・(ゼイゼイ)今すぐ来いって、大事な話って・・・!?」 黒猫「あら早いこと。じゃ、私は帰るから。・・・頑張ってね」 桐乃「ちょ・・・ま、待って、違うの、ちが、こ、これはその・・・」 黒猫「やれやれ・・・一件落着、ね。・・・これであの変態兄妹とも距離を置けると思うとせいせいするわ。 それにしても、恋愛相談とか随分私らしくない活動に時間を割いてしまったわ。 ・・・でも、仕方ないわね。あの娘のことは相変わらずとても嫌いだけど・・・私は、あの娘の友達なのだから」 -------------
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/114.html
用語 夜 読み方 よる 初出 原作8巻 解説 五更家の飼い猫(黒猫)。 赤い首輪と鈴を付けている。 初登場時は、屋根の上から見下ろしていた。 また、黒猫のハンドルネームは テレビの上で眠る夜を見て思いついた。 (『堕天聖の追憶』より)
https://w.atwiki.jp/konomikusunoki/pages/255.html
すりすりにゃんこ 黒猫 すりすりにゃんこ アクセサリ:ネックレス 交渉ランク【SS】 交渉可能 可動品. 色:黒 色:黒猫
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/748.html
お姉ちゃんと一緒♪ あたしは”妹達”と目配せをして、 「「「ごちそうさまでしたー」」」 「ごちそうさま」 一人遅れて「ごちそうさま」を言うのは兄貴だ。 なんで合わせられないかな。ホントどんくさい。 「京介くんたちが来ると、おかずもいっぱいだし、幸せ~」 「しあわせ~♪」 ヒナちゃんとタマちゃんが笑顔を見せる この笑顔だけで、まだ丼飯3杯はいける! 今日は兄貴と二人。五更家にお招きされたのだ。 ヒナちゃんとタマちゃんと、アニメみたり、ゲームしたり、 う~ん。満たされてる。高坂桐乃14歳。満たされております。 んで、いま一緒にご飯を食べて、一緒にごちそうまをしたの♪ 黒猫の料理は相変わらず美味しい。余は身も心も満腹じゃ。 「京介くんたちがくると、なによりも肉が出るものね! 肉が!」 「姉さま、ハンバーグ美味しかったです」 「やっぱり、お肉よ、お肉! 毎日とは言わないけど週一くらい!」 「あら、気づかなかったのかしら? 日向のは豆腐のハンバーグだったのだけど? 」 「えー! マジで!」 「フフフ… 冗談よ」 慌てるヒナちゃん。笑顔のタマちゃん。優しい笑顔を見せる黒猫… なんかいいなぁ。この姉妹。あたしも妹ほしいなぁ… ちなみに「キリ姉」というのは、あたしがヒナちゃんにお願いした呼び方だ。 最初は「桐乃さん」だったけど「お願いキリ姉って呼んで…!」って。 だってさ、黒いのが「ルリ姉」なら、あたしは「キリ姉」でしょ常考。 「片付けるの手伝うよ」 「あ、あたしも」 「いいわ。座っててちょうだい」 「皿洗いくらいさせろって」 「そんな事、お客にさせられないわ」 「美味い飯食わせて貰った礼だから」 「でも…」 「それくらいさせてくれって…」 「悪いわ…」 お皿を持ちながら押し問答してる二人。 う… なんかイチャついてるように見えるんだけど… あたし、入り込めないじゃない。 結局、兄貴に押し切られた黒猫が振り返り 「あなた、先にお風呂入ってくれるかしら?」 「お風呂?」 「入らないつもり?」 「あ、あたしは後でいいわよ」 「あなたに遠慮なんて似合わないわよ?」 「あたし、そんな礼儀知らずじゃ!」 「桐乃、先はいれよ」 「はぁ!? あんたね」 兄貴にキレようとした時、 神提案がきた。 あたしの袖を掴みながら笑顔でタマちゃんが、 「桐乃お姉ちゃん。お風呂いっしょにはいりましょう」 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 「あたしもキリ姉と一緒にはいる」 キタ*・゜゚・* .。..。. *・゜(゚∀゚)゚・* .。. .。. *・゜゚・*!!!! キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!! キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!! 「ほほほ、本当? 二人ともあたしと一緒に入ってくれるの?」 「はい♪」 「うん」 なにこれ? なにこれ? こんな事があっていいの? 夢、夢じゃないかしら? これなんてエロゲ? ウヒヒヒヒヒヒヒヒヒwww 生まれてサーセンwwwwブヒ 「き、桐乃…? 桐乃さん?」 「……不気味な笑顔だわ… 大丈夫かしら…?」 落ち着け、まず落ち着け。落ち着け桐乃。 軽率な行動で大事が去ってしまったら、死ぬに死ねなくなる。 ここが天王山だ。全身全霊で任務を達成するのだ! あたしは『全力の涼やかな笑顔』で、 「そうかぁ。じゃあお姉ちゃんと一緒にはいろ」 さらに振り返り 「じゃあ、そうゆうわけだからお風呂いただくね?」 「そ、そう… 3人だと狭いけど」 「あー あー大丈夫、大丈夫。うん」 「……… 桐乃… 変なことするなよ…?」 「なにいってんの? バカなこと言わないで!」 あたしは息を吸い 「あのね、二次は二次! 三次は三次! 変な勘ぐりしないで!」 「そうか… 悪かったよ…」 よっしゃ! さすがあたし。読モなめるな! 兄貴のやつは、ちょっと疑ってたけど… 妹達とお風呂… ウヒヒヒヒヒヒヒwww おっとイカン。 さあ行くぞ、いざ鎌倉!いや、いざお風呂場へ ---------------------------------------- 「そ、そんな見ないで…」 「うわぁ、やっぱりキリ姉ってスタイル良いなぁ…」 「きれいです♪」 「も、もう、見ないでってば…」 あれ? なんか、とんでもなく恥ずかしいんですけど? ここは妹達が恥ずかしがるシチュじゃないの? 「キリ姉… そんな見ないで…」とか「そんな見ちゃらめぇ…」とか 逆に、あたしが恥ずかしいって何で? 思わずタオルで身体を隠してしまう。 「女の子同士なんだから隠さなくてもいいじゃん。もっと見せてよー」 ちょ、おま、なに言ってるの、ひなちゃん! タオルひっぱらないで! 「キリ姉、おっぱい大きいよね。ルリ姉と段違い」 「そ、そんなこと…」 「やっぱり肉なのかなぁ。あたしもキリ姉くらい欲しい… バイトして肉買おうかな…」 自分の胸を見ながら、おっぱいと肉の関係を考察しているヒナちゃん。 なんか意識してるの私だけ? って意識してるのがおかしいのか。 エロゲみたいなシチュにドキドキしてたけど、良く考えたらあたしも女だし。 女の子同士が一緒にお風呂入ると普通だし。 あたし。どんだけエロゲ脳なんだろう… ちょっとエロゲ控えようかな… 少し自分の生き方に疑問を感じてると、スポンジを手にもった笑顔のタマちゃんが、 「桐乃お姉ちゃん。せなか洗ってあげます」 「え、いいよ。自分でやるから!」 「えんりょしないでください♪」 「キリ姉、珠希の好きにさせて、お礼のつもりなんだ」 「え?」 「珠希もさ、あたしもなんだけどさ…… キリ姉と京介くんに感謝してるんだよね…」 「感謝…?」 「ルリ姉がさ… 家に友達呼ぶとか今まで無かったし…」 「…」 「キリ姉達と知り合った頃からかな?、ルリ姉、いきいきしてるんだよね」 「姉さま、幸せそうです」 「……」 「キリ姉とさ沙織さん? の写真を見て、ルリ姉にやにやしてるんだよね。嬉しそうに…」 「おともだちです♪」 「………」 「それと合わせて奇行も増えてるんだけど…」 「…………」 「あの白い衣装と仮面とか… ドヤ顔で外出した時は、我が姉ながらもう……」 「姉さま、仮面がお似合いで、とても綺麗でした」 「……………」 指で頬を掻きながら 「そんなわけでさ。あたし達ほんとキリ姉たちに感謝してるんだ」 「………………」 「ルリ姉の人見知りって筋金いりだし。趣味もアレだから… 友達とかさ…」 「…………………」 「最初、脳内友達かと思ってたけど、実際の京介くんもキリ姉も良い人だし… これからもルリ姉のこと宜しくお願いします」 「よろしくおねがいします」 「……………………うん」 「だから珠希の好きにさせて?」 「せなか、あらいますね?」 「………………………うん…うん」 タマちゃんがスポンジで、あたしの背中をこすってくれている。 ヒナちゃんは湯船に漬かっている。 あたしは…… あたしは泣いちゃってる。 俯いてるので髪で顔が隠れているから、 二人には見えないけど… 姉想いいってか家族想いで、二人とも本当にいい子。 へんな妄想してた。自分が恥ずかしい。 この子たちを悲しませるなんて出来ない… この子たちの為なら何でもしてあげたい… あたしに出来ることってなんだろう…? 仕上げとばかりで洗面器でお湯を流し、 「おわりましたよ~ ぴかぴかです♪」 「タマちゃん、ありがとうね~」 あたしはタマちゃんの頭を撫でてあげた 「えへへ~ どういたしましてです」 天使の笑顔がかえってきた。 「キリ姉、珠希と湯船に入ってよ。あたし身体洗うからさ?」 「ん。了解」 あたしはタマちゃんと湯船につかり、交代でヒナちゃんは身体を洗っている。 「それにしても、何でルリ姉と京介くん別れちゃったんだろ?」 「!?」 「ルリ姉いわく『フッ、私が振ったのよ』なんて言ってたけど…」 「ご~お、ろ~く、ひ~ち………」 「二人を見てるとさ、別に嫌いあってるように見えないし」 「じゅうきゅ、に~じゅう、にじゅいち………」 「ルリ姉も京介くんも意識してるのみえみえだし」 「さんじゅうよん、さんじゅご、さんじゅろく………」 「ほんと、なんで別れたんだろう? キリ姉さ、なんか知ってる?」 「え…? さ、さあ…」 「ごじゅに、ごじゅさん、ごじゅし………」 「う~ん、なんでなんだろう?」 「あいつが、ゴホン… 兄貴がセクハラでもしたんじゃないの?『おっぱり触らせてくれ!』みたいな」 「ろくじゅに、ろくじゅさん、ろくじゅし………」 「えー? ルリ姉のおっぱいなんか揉むほどないじゃん」 「ななじゅなな、ななじゅはち、ななじゅく………」 「まあ… ないけども。そうゆうのが好きな男の人っているわけだし…」 「はちじゅよん、はちじゅご、はちじゅろく………」 「そうゆうのって、ロリコンだっけ? 京介くんそうなのかな? ってことは、あたしも京介くん好みってこと?」 「きゅうじゅなな、きゅうじゅはち、きゅうじゅきゅ………」 「あたしも胸ないし… いや将来的にはわからないけど!」 「ひゃ~く♪、おねえちゃん、ひゃくまでかぞえましたよ?」 「うん、タマちゃんえらい! じゃあ今度は頭洗おうか? お姉ちゃんが洗ってあげるね」 「はい~♪」 ヒナちゃんが身体に湯をかけてから湯船につかる。交代であたしとタマちゃんが洗い場へと。 う~ん。兄貴がロリコンねぇ。リアの件もあるからけど… それはない… ないと信じたい。 今までの情報だと「眼鏡好き」ってのは確実なんだけども。 ヒナちゃんは湯船で「おっぱいの大きさは遺伝によるものか?」とぶつぶつ言ってた 「それじゃ、タマちゃんシャンプーかけるから目つぶっててね?」 「は~い♪」 本当に素直ないい子だなぁ。こうゆう妹がいたらなぁ。 うわぁ、髪の毛も綺麗だなぁ。黒猫にも負けてないかも。 この子… 絶対将来美人になるね。あたしが保障する。 性格は”姉!に似せないようにしないとね。 「かゆいところは、ありますか~?」 「だいじょうぶで~す♪」 ウヒヒヒヒヒヒヒヒヒhwwww テラカワユwwwwww は!? いかん、いかん。こうゆうのとは違うんだから。 桐乃、自分をしっかり保て! 湯船に頬杖をつきながらヒナちゃんが言う。 「えへへ~ キリ姉と珠希、本当の姉妹みたい」 「ええ~? そう見える? そう見えちゃう?」 なんとも嬉しいこと言ってくれるじゃない。 お姉ちゃんはヒナちゃんも大好きだお。 「ルリ姉と京介くんがさ、結婚すればキリ姉と本当の姉妹になれるのにね」 「え!?」 ん? あれ? あたしとヒナちゃんタマちゃん達と姉妹になる? この可愛い天使達が妹に? 黒猫と兄貴が結婚すれば? 黒猫がお姉ちゃん? 私好みの料理が作れて、趣味が語り合えるお姉ちゃん? 臆病で、優しくって、マジで兄貴のことが好きな娘が? 兄貴は兄貴で、あたしの兄貴のままで? 兄貴が黒猫と結婚すれば? なんで結婚しないの? 結婚は早すぎでしょ! でも恋人なら? 兄貴は黒猫が好き、黒猫も兄貴が好き、何故? 兄貴が泣いてるのは嫌なんだよね? 兄貴を泣かせてるのは誰? 黒猫を… 友達を泣かせてるのは誰? あたし? あたしのせい? あたしが我慢すれば? 我慢? なにを我慢するの? 嫉妬? なんで嫉妬するの? 家族が家族に嫉妬っておかしくない? あれ? ってことは答えが出るんじゃないの? 黒猫が幸せで、兄貴が幸せ、ヒナちゃんとタマちゃんが幸せ、あたしも幸せ… ああ、新しい家族が出来るの? そうか、お姉ちゃんができるのか? マナちゃんじゃなくて? あやせはいいの? 沙織は? 加奈子? フェイトさんは無いか… あれ? 混乱してきた… 待って、もう少しで答えが、皆が幸せになるって答えが出るのに… もうちょっとなのに… 兄貴と黒猫が結ばれれば……… 「桐乃おねえちゃん。リンスはいらないですよ~?」 「へ? リンス? リンスが答え?」 「って、キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「どうしたの? ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 ----------------------------------------------------------------------- 俺は皿を洗い終わると黒猫と差し向かいで茶を飲んでいた。 「なあ、黒猫、そのさ… 俺が大学に、桐乃が高校に行ったらさ…」 「うん……」 「そしたら環境が変わって、状況も変わると思うんだ」 湯呑を見ながら俺は言う。 「その時は俺の、俺の方から言うからさ。それまで待ってて欲しい…」 顔をあげ黒猫を見る。うっ、目を潤ませてる… 泣かしちゃったかな。ごめんな俺がヘタレなせいで… 「言ったはずよ? 私は永遠に貴方のことが……」 「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「!?」 「!?」 「悲鳴?」 「お風呂場からだわ!」 ダダダダダダダダダッ! 風呂場にダッシュで向かう俺と黒猫。 脱衣所のドアを開け、されに風呂場のドアノブに手をかける。 「日向! 珠希! どうしたの!」 「大丈夫か? 桐乃!?」 そこで見たのは、血まみれの珠希ちゃん(裸)だった。 「どうしたのですか?」 湯船で泡くってる日向ちゃん(裸) 「あわわわわわ…」 珠希ちゃんを見て、真っ青の黒猫(ジャージ) 「たたたたたた、珠希!?」 そして鼻血をタレ流してる桐乃(裸) 「きゃ、きゃああああああああああああああああああああああーーーーー!!!」 そして桐乃に全力グーパンで失神させられる俺であった…… ----------------------------------------------------------------------- 兄貴はリビングに運ばれ、3姉妹に看護を受けていた。 「鼻血が止まらないわね」 「京介くん大丈夫?」 「おにいちゃん、だいじょうぶですか?」 「ああ、大丈夫だよ、ちと鼻血が止まらないだけだ」 …まあ、素晴らしい手ごたえがあったし… あたし格闘技の才能もあるのかしら? 兄貴があたしを睨みつけ、 「お前の鼻血は止まったのか?」 「チッ、もう止まったわよ… ちょっとのぼせただけだから…」 「本当か? 本当にのぼせただけか? 変なことしたんじゃないだろうな?」 「ちょ、なにいってんのよ! そんなこと… あるわけないじゃない!」 こいつ失礼すぎる! あたしがそんなことするわけないでしょ! あくまで脳内、脳内だけ! 「それよりも、あんた、あ、あ、あたし達の裸見たでしょ!」 「ばっ! あれは心配で、しょうがないだろ!」 「あたし、京介くんに見られた」 「みられたー♪」 「まてまてまてーい! 百歩譲って見たのは、謝る。正直、すまんかった」 「でも、わざとじゃないんだよ? お前達が心配だから… わかってくれよー」 「ちょっと、興奮しないでティッシュが取れるわ」 「どうしようかなー? ねー」 「どうしようかなー♪」 うわぁ、小悪魔だ! リアル小悪魔! 「わかった。俺に出来ることは何でもするよ。受験控えて金も暇もないけど…」 「なんにも出来ないじゃん」 「お前には言ってねーよ」 プチっ 「黒猫そこどいて、そいつ殺せない!」 「馬鹿な真似は止めなさい。折角の新居にいきなり地縛霊を住まわせるつもり?」 「チッ…」 「あーもう。悪かったよ… ごめんな。でも本当に悪気はないんだ」 まあ、この辺が矛の納め時かな。 悲鳴を聞いて心配して駆けつけてくれたのだし… ううう… 裸を見られたのはしゃくだけどさ。 「…ん。わかった。あんたも心配した結果が、こうなっただけだし」 フンと鼻息を出して 「今回は許してあげるわ…」 「そうか、風呂場の出来事だけに水に流してくれるか?」 「なにそれー? 京介くん上手いこと言ったつもりー?」 「うまい? おにいちゃんおいしいこといったですか?」 「違うよ、京介くんが、もの凄くしょうもない事を言ったの」 「あのな… しょうもないって…」 「フフフ、珠希には理解できない領域ね」 「しょうもないこと? まずいってことですか?」 「うん、とてつもなくまずい」 「お兄ちゃん。まずいのはいやです。おいしいのください」 「だそうよ? 黒き獣の力を解放してみては?」 「さ、京介くん、改めてどぞー」 「無茶振りやめて…」 「ぷぷぷ… あははははは」 「桐乃?」 「あはははは、面白い。」 なにこの3姉妹。面白いじゃない。 あたしの大笑いを不思議そうに見てる。 あたしはお風呂場で考えてたことを思いだす。 この子達と家族? 悪くない。 いや、最高でしょう? 今すぐってわけにはいけないけど、 そう遠くない将来に向けて… 「ねえ兄貴、お詫びの件なんだけどさ…」 「なんだ? 受験終るまで暇と金はないぞ?」 「受験、終ったらで良いからさ… あたしと黒猫と、ヒナちゃんとタマちゃんを遊びに連れてってよ?」 「あー 受験終ったらな」 「ほんと、やったー!」 「やったー♪」 「私も良いの? 裸みられてないけれど」 「良いの、良いの。むしろあんたが来ないと練習にならない」 「練習? なにいってんだお前?」 不思議そうな顔の兄貴と黒猫。 そう遠くない将来、家族になるんだからその予行練習よ。 とは言えないよね… 「それより受験失敗しないでよ? 遊びに行ってお通夜とか嫌だからね?」 「ああ、任せろ… 大学は絶対受かるから… な、黒猫…」 「な、なんで私に聞くの…」 「そういえば桐乃、お前は受験大丈夫なのか?」 「あたしぃ? 誰にモノ言ってっつーの! 推薦できまってるっつーの」 「なにぃ? 初耳だぞ! どこの高校だ?」 「そこの黒いのと同じ学校」 「はい?」 「覚悟しなさいよね? 五更先輩(はーと)」 ---END---
https://w.atwiki.jp/mhp3_cheat/pages/56.html
最初の黒猫倒しても黒猫亜種の方が出てこなくてクリアできません。 -- (キメッキ) 2011-03-19 21 50 57 黒猫ヤ○トの宅急便デス!の更新版をUPします -- (黒猫) 2011-03-21 09 22 08 普通に最初のやつ倒したらクリアできた。 つかこいつ案外強いw -- (名無しさん) 2011-03-22 14 11 32 時間切れになってもクリアできたんだけど... -- (名無しさん) 2011-03-22 21 24 25 新しいクエ作るんで採用おねです -- (黒猫) 2011-03-23 21 27 01 少しおかしい所あるので更新です -- (黒猫) 2011-03-23 21 35 33 とてもおもしろいクエでした。 何気に結構強かったです。ww -- (コッペパン) 2011-03-25 18 39 14 体力多いww -- (天地無双) 2011-03-26 09 15 39 おもしろいですね体力多くてww -- (チョコレートパン) 2011-03-30 10 15 20 クリアしました!!ww -- (チョコレートパン) 2011-03-30 10 19 19 死なない黒猫www さすがシンボルww -- (名無しさん) 2011-03-31 10 50 10 尻尾切りましたwwすごくちいさかったです -- (チョコレートパン) 2011-03-31 14 49 13 プチナルガ、ペットにほしい(笑) -- (雫) 2011-04-01 12 36 20 こいつの尻尾ほぼ針だろww -- (kj) 2011-04-01 20 50 45 攻撃あたんねぇww -- (G5) 2011-04-02 13 06 21 尾ッポが、堕ちたwww -- (rak) 2011-04-07 02 55 02 そして、延髄をはぎ取ったwww -- (rak) 2011-04-07 02 58 24 そして、殺されたーーwww -- (rak) 2011-04-07 02 59 37 残り10分でクリアできました -- (yt) 2011-04-07 13 37 13 攻撃力高いね -- (Island yuta) 2011-04-11 18 27 32 報酬どんなのですか?? -- (亜寒帯) 2011-04-11 20 29 39 ↑秘密のダンボールがかなりの数でた -- (天下無双) 2011-05-03 18 59 09 やばすぎる -- (強すぎるw) 2011-05-15 01 13 28 hhhhhhhhhhhhhhh -- (いぽ) 2011-05-15 14 12 03 ナルガ強いですね…w -- (mis) 2011-05-21 11 05 08 ナルガめちゃくちゃかわいいwwww -- ((・3・ )) 2011-05-23 18 11 11 蹴りで死ぬと思っていたらすごく強かったですwww -- (美雷) 2011-05-29 22 03 25 強すぎる! -- (武者) 2011-06-02 17 37 10 ナルクルペットだ~~ -- (好友度MAX) 2011-07-27 18 11 28 ナルガのHPが高い気がする -- (名無しさん) 2011-07-29 22 42 55 罠かかんない -- (ばか) 2011-07-31 17 36 07 ナルガの攻撃力ハンパないです -- (ウカム) 2011-08-01 21 17 37 ナルガ爆弾置きまくってたらクリアできた。 報酬は覚えてるのは極秘のダンボール3つだったな。 -- (コルディアス) 2011-08-08 10 00 44 タイムアップでくりあできたよ(なんでだろー) -- (死人に口なし) 2011-08-22 17 08 27 ナルガ小さいのに死ぬかと思った タイムアップでクリアできたのは多分 クリア条件が黒猫1匹(メラルー) だったからじゃないでしょうか メラルーさえ倒せばいいのかと思います もしもですよ。もしもメラルー1匹だけでいいのでしたら メラルー1匹倒して戻り玉を使い50分間まっていれば クエストクリアになるんじゃないでしょか -- (銀さん) 2011-08-28 21 59 32 ふざけてたらナルガさんに瞬殺された・・・。 攻撃高い。 -- (爆G) 2011-09-13 14 58 55 ミニナルガの尻尾がたまたま切れたwww 剥ぎ取り難しかった。位置が合わないwww -- (魔法使い) 2011-09-17 13 10 39 チビナルガ一人だと倒せなかった… メラルー倒して待ってたら終わったからいいけど… でもおかげで猫スネーク装備全部作れました ありがとうございます -- (剣咲) 2011-10-22 23 40 53 シビレ罠でひっかかって大たるGおいて 爆発させてもビクともしなかった 友達とやったけど友2回死んだ。。。 -- (ミラバルZ) 2011-11-14 17 40 26 秘密のダンボールけっこうでるww 【秘密】\(・ω・´)ここ重要!! _ _| |〇ズゥ~ンш -- (ウィッチ) 2011-11-20 21 03 02 あ、忘れてたこれめっちゃ時間かけて倒せた へへ、我々の勝利だ!!(`^ω^)─∥)╼_) -- (ウィッチ) 2011-11-20 21 11 24 チビナルガめちゃ強い。だが、ソロ45分で倒したぞ! -- (komukomu) 2011-11-23 04 12 11 ナルガ弱すぎw -- (終馬) 2011-11-26 21 38 38 ナルガ30分で何とか倒せたwwww全部い破壊できたぜ。 あれ攻撃力高すぎww2回死んでやっとたおせた。 太刀で行くともしかしていいのかも -- (エヴァマーク6) 2011-12-26 13 09 17 太刀使いにくいんだよなー「私的に」 -- (ペッコLOVE) 2012-01-08 23 49 31 私の事情によりもう更新はやめました これからは更新はありませんが今までのクエをやってみてください 今までありがとうございました いままでフリーズするクエもあってすみませんでした 正直動作確認とかめんどかったのでしていませんでした .......... -- (ウェルッド) 2012-01-15 00 32 54 40分ぐらいで終わった -- (ガム) 2012-06-17 21 08 54 極秘のダンボールって闇プログラマーのクエスト、封印されしドスファンゴの支給品に40こあったよー 他にも色々あります -- (イビルジョー) 2012-06-17 21 42 11 こんにちは 古江台小学校のヤマモッティー君 -- (イビルジョー) 2012-06-18 16 23 24 ナイフ系当たんねぇww -- (怒りシンジ) 2012-09-23 22 47 47 何かのパクリでは -- (あああ) 2012-11-04 21 02 52 めちゃむじぃ。 -- (みかん) 2014-03-28 18 42 18
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/501.html
用語 ベルフェゴール 読み方 ベルフェゴール 初出 原作4巻 解説 黒猫が田村麻奈実に付けた名前。 麻奈実が高坂家を訪問した際、不機嫌になった桐乃が黒猫に電話をし、 「京介を堕落させた原因である悪魔」というイメージから命名。 ベルフェゴールの呪縛という自作の漫画で使用。 また、麻奈実との初対面シーンでもつぶやいている。
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/1166.html
当方の作品「クリスマスプレゼント」での桐乃 ここに掲載することは場違いと思い、掲載をしなかったのですが、 理想の世界をおもい、最終巻にて、桐乃から黒猫でも、黒猫から桐乃、 どちらかでこんな3人を見たくて、そう考え出すと掲載をしたくなりました。 少しでも楽しんでいただけると幸いです。 -------------------------------------------------------- 『せ~の』 『メリ~クリスマスお兄ちゃん』 『私たちからのクリスマスプレゼント受け取ってね』 「うっひょーーーキタキタキタキタキタキタキター、 はい死んだーあたし死んだー、りんこりんとみやびちゃんのサンタコスやばすぎwwフヒヒ」 何をしているのかって?どっかの馬鹿兄貴じゃないだからさ、 このフレーズで何かわかんないなんて、人生の半分は損しているといっても過言じゃない。 あたしはつい最近発売したばかりの超がつくほどの名作神妹ゲーである、 『シス×シス』のファンディスク、『シス×シス~Four Seasons~』を絶賛プレイ中。 このゲームは名前の通り、春夏秋冬に分けられた4つの季節を、 りんこりんとみやびちゃんと一緒に過ごす物語が繰り広げられる。 (もちろん各季節には個別ルート、ハーレムエンドが用意されていて1粒で4度おいしい) んで今は、季節柄・・・てゆーかまんまその日なんだけど冬をプレイしていると、 二人の超がいくらあっても足りないくらい、 可愛いサンタさんからプレゼントを受け取ったところ。 「も~プレゼントなんてわざわざ用意しなくても、 二人がプレゼントになってくれたら、桐乃『お兄ちゃん』はそれでいいのにさぁwwww」 ・・・・・りんこりんとみやびちゃんの『プレゼントは私』・・・・ は、破壊力ありすぎ!あっやばい鼻血出てきた。 でも実際、3次元にそんなことするやつっているのかな? 貰って嬉しいものなのか京介にでも聞いてみようか。 「って考えている場合じゃないや、ごめんね~二人ともまった~? 桐乃『お兄ちゃん』と一緒に楽しい楽しい聖夜をすごそうねww」 右手にマウス、左手にはティッシュを数枚束にして構え、 辺りに飛び散らないように、鼻を押さえプレイを続行しようとしたところ。 「桐乃ー!!ごはんよー」 下からお母さんの声が聞こえてきた。ホントだもうこんな時間。 家はお父さんが警察官とあってかあれこれと厳しく、 時間に食卓についていないとご飯を食べることができないのだ。 「うぅ仕方が無い、ごめんねりんこりん、みやびちゃん、 後でお詫びはいーっぱいするからそれまで待ってて」 サンタコスで満面の笑みを向ける二人に謝罪しあたしは階下に下りていく。 「あっ・・・」 そうか京介は今頃二人で・・・ リビングに入って忘れていたこと・・・いや忘れていたかったことを思い出す。 あたしの隣の京介の席には、時間に間に合わなかったわけではなく、 食器もなにも置かれていなかった。 「ん?母さん、京介はどうした」 お父さんがその様子を訝しみお母さんに訪ねた。 あれ?お父さん知らないんだ。 今日、京介が誰とどこで何をしているのか。 「この前言っていたじゃない、京介は彼女と一緒にクリスマスデートを満喫中よ」 「ごふ、ごふ、ごふ、か、彼女とく、クリスマスデートだと!」 お茶を飲もうとしていたむせてしまうお父さん。 「ええそうよ、京介から言われてお父さんだって承諾していたじゃない」 「あ、ああそうだったな、そうか京介がデートか・・ 彼女がどんな子なのか知っているのか?」 「ほら春先から家に遊びに来ている桐乃の友達で、京介と同じ学校の後輩よ。 前髪を揃えた長い黒髪の華奢な女の子、お父さんも何度かあっているでしょう?」 「ほう、あの子が京介の」 お母さんとお父さんは、京介と黒猫のことで話が盛り上がっている。 話を聞いていると黒猫は、お父さんとは何度かすれ違って挨拶をした程度で、 ちゃんと会ってはいないみたいだ。 挨拶だけでガチガチになったらしく、直接会うとなったらどうなるんだろ。 顔を合わす機会が多いお母さんでさえ未だに緊張しているみたいだし。 (おとうさまとか呼んでたけど、変換すると「お義父様」だよねきっと・・) 「お父さんはもう少し柔らかくなったほうがいんじゃないの、あの子きっと脅えていたわよ」 「う、うむ、そうか気をつけるとしよう」 高坂家での(といってもお母さんとお父さんの間でだけれど)黒猫の評価は悪くない、 ・・・というよりも良いみたいで親友のあたしとしても安心した。 だというのに、あたしの心はどんどんと暗くなっていく。 「早く結婚でもして親を安心させ欲しいわ、ねっ桐乃から見てあの二人はどうなの?」 「うん、すっごい良いよ、まさにお似合いのカップルって感じ」 即答してちくりと胸が痛んだ。 けれど間違ってはいない、これからも京介の恋人として、 そしてあたしの親友として、将来的にはお義姉ちゃんとして、 やっていければと思うのは嘘じゃない、あたしの本音。 だけれど今日という日もあってか、どこか割り切れていないところがあるのも、 あたしの本音だった。 「ごちそうさま」 これ以上、この場にいて京介と黒猫のことを聞かれるのは、 心境的に良くないので早々にご飯を済ませ、足早に自分の部屋へと戻ることにした。 ちなみにお父さんはさっきのお母さんの『結婚』ってところでまたむせて、回復したころに 「昔を思い出すわね。私たちも久しぶりにクリスマスを満喫しましょうか」 との誘いに顔を赤らめてむせていた。 あいつらもあんな風になんのかな。 ピ 『探した答えはきっと、最高の笑顔で満ちている』 ピ ピ 『探した答えはきっと、最高の笑顔で満ちている』 ピ 部屋に戻ったあと、中断していた『しす×しす』を再開する気力が起きなくて、 電気も点けずにベッドに倒れこむ。近くにあった音楽プレイヤーを手にとり、 あたしと同じ中学生のユニット『Claris』が歌うメルルのOP曲『nexus』を聴いている。 「探した答えはきっと、最高の笑顔で満ちている・・・か」 『望む未来を掴み取るという誓いと、希望を胸に歩き出す二人を歌った曲』、 メルルの歌だからだけではなくて、なんとなくだけどどこか、 他人事じゃない気がして好きになった曲。 自分のことを言っているようで黒猫のことを言っているような曲。 「・・・今は京介と黒猫の曲かな」 ピ あの夏の頃に比べれば、自分でも自制できるようになったし、 誰にも気づかれることの無い感情となったのだけれど、 あたしはまだ二人がもう一度恋人同士になったことへの整理ができていない。 あの日、京介と黒猫とあたしは三人で遊ぶことになった、珍しいことに京介からの誘いによって。 沙織を呼ばないし、本人は隠しているつもりなんだろうけど、 京介はなんだか様子がおかしくて、終わった後に何かがあると確信した。 黒猫もすぐに気がついたみたいだった。 けれどお互い気にしないように、ぎくしゃくしてはいたけど楽しい時間を過ごした。 ・・・こーいうと今は違うのかって言われそうだけど、そんなことはないからね。 帰り際京介が公園で休もうと切り出したとき、あたしたちはついに来たんだと身を強張らせた。 黒猫なんて今にも泣きそうな顔してたんだよ・・・あーもしかするとあたしもかも あの夏の温泉地での一件から保留となっていた京介の答え。 ずっとずっと二人のことを考えていてくれていた真摯な想い、 京介が選んだのは・・・・・・・・・・・・・・・黒猫だった。 『諦めかけていた希望はもう隣で輝いている、はっきりと繋いだりょ』 ピ 「あれは失敗だったなぁ、あー言うときって雨が降るんもんじゃないの?」 あたしは泣いた。 自分が選ばれなかったことが悲しくて泣いた。 親友が選ばれたことが嬉しくて泣いた。 黒猫も泣いた。 自分が選ばれたことが嬉しくて泣いていた。 親友が選ばれなかったことが悲しくて泣いた。 もし、あたしが選ばれていてもそうしていただろう。 気がつくとあたしたち二人は京介の胸で泣いていた。 京介は何も言わずあたしたちが落ち着くまでずっと抱きしめてくれていて、 今でも温もりを覚えている。 そこからはまぁ、色々あったし、色々とあったみたいだけど、 円満に交際を重ねている最中で、「リア充爆発しろ」って言葉が似合うことこのうえない。 二人が恋人になってちょっと関係は変わりはしたけど、 沙織を含めた4人での交流に大きな変化はおきてはいない。 ただ、クリスマスなんて特別なイベントは意識せざるを得ない。 あやせや沙織から誘いはあったんだけど、朝、京介を追い出してからは、 部屋で『しす×しす』をプレイしていた・・・ 外に出てしまうと嫌な自分が出てきてしまいそうだったから。 それも食事のときに無駄になってしまったけど。 「使ってんのかなぁあたしが渡した、 『これでイチコロ、男を落とす必勝クリスマスプレゼント』、 あの黒猫がそこまで大胆なことするわけがないか・・・・ けどあいつたまにやることがすごいんだよね」 なにしてんだろ二人・・・ってクリスマスなんだから、きっといちゃいちゃしてるんだろうなぁ。 恋人になってはじめてなんだし、いつ帰ってくるやら・・・ 「・・・あーもうやめやめもうやめよ・・・ あの夏にも決めたこと京介が大好きな親友の黒猫なら良いって」 けど、 やっぱり 恋人といかないまでも、 去年みたいに 京介と一緒に過ごしたかったなぁ。 ・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・ 誰かが私を呼ぶ声がして意識を呼び覚ます。 「あれ?あたし寝ちゃってた?やっばー髪ぼさぼさだし、服しわになってる」 いつのまにやら眠ってしまっていたみたいだ、どれくらい眠っていたんだろ・・・ ? 何か今聞こえなかった?こうドアを コンコン そうそうこんな風にノックする音が・・・え? コンコン 空耳じゃなくてどうやら本当にノックされているらしい。 お母さんかお父さんだろうか、空けたらわかるか。 コンコン 後になってみたら無用心ではあったんだけど、 寝ぼけていたせいかあまり頭が回っていなかった。 コンコン 「はいはい、そんなに叩かなくなって今あけるって・・・っなに!?」 パンパン ドアを開けると大きな音とともに紙ふぶきが舞い散った。 そして 『せ~の』 『メリークリスマス桐乃』 「俺たち」「私たち」 『からのクリスマスプレゼントを受け取って』 「くれ」「ね」 どこかで聞いたフレーズにあわせて、ここにいないはずの、 お揃いのサンタ帽を被った京介と黒猫が立っていた。 「あ、あんたたちなんで?どうして?ここに?」 どこかでいちゃいちゃらぶらぶを繰り広げているはずの二人が、 どうして、私の部屋の前に立っているんだろうか。 「その前に部屋に入れてくれないか、廊下は寒い」 「あ、うん、入って」 暗がりでよく見えないけど、寒さのせいかただでさえ黒猫の白い顔が、 さらに白さを増しているようだった。 ここで暖房をつけていなかったことを思い出し、 電気と一緒につける・・・あたし明日風引かないかな。 適当に二人が座ったことを確認して、 「んで、なんであんたたちがここにいんのよ」 「あら?聞こえなかったかしら、言ったでしょうクリスマスプレゼントを持ってきたのよ」 「はぁ?だから意味わかんないんだけど」 そもそも、むしろあたしがお祝いをすべきなんじゃないだろうか? 「それにデートはどうしたのよデートは、クリスマスなんだよ?わかってんの?」 クリスマスしかデートをしてはいけない決まりがあるわけじゃないけど、 カップルが妹&友人の部屋に来る日ではないはずだ。 「ああ///」 「そそうね///」 ・・・むかつくことにあたしが言うまでも無く、することはしてしまったみたいだ。 黒猫なんて、さっきまで真っ白だったのが一瞬で赤く染まっている・・・このエロ猫め。 ところどころに変な痕みたいなのも見える。なにしてたんだっつーの。 まさか、あの本の内容をほんとにやったんじゃ・・・ 「瑠璃と決めたんだよ、せっかくのクリスマスなんだから桐乃とも一緒に楽しもうってな」 このバカ兄貴、そのせっかくのクリスマスはカップルで過ごすものでしょうに、 もしかしてあたし哀れまれている? 「そんなつもりはないわ、あなたとクリスマスを純粋に楽しみたいだけよ」 「あっそう」 「・・・・迷惑だったかしら」 「べ、別にそんなこと言って無いじゃん!ただちょっと驚いただけ」 そんな風に返されるとなんか調子狂うなぁ、バカ兄貴はバカ兄貴でなんか微笑ましそうにしてるし。 「よし、んじゃまぁ改めて」 『メリークリスマス桐乃』 「ん、メリークリスマス」 言って二人とお揃いのサンタ帽を被らされる、 「そんでこっちがだな」 「私たちからのクリスマスプレゼント」 「あ、ありがと」 まさかプレゼントまで用意しているなんて思ってなかった。 ・・・まいったなぁ、あたし何にも用意してないよ。 ねんどろいどの箱よりも1周り小さい箱を、黒猫が照れくさそうに渡すのを受け取る。 なんか去年の夏コミを思い出すなぁ、ちゃんとあの時に貰ったディスク大切にしているよ。 「開けても?」 つーか、開けないと駄目な空気を感じるんですけど。 「ええ・・」 「気に入ってくれるといいんだけどな」 緊張の面持ちの二人に見守られる中、ゆっくり、丁寧に、箱を開け、中にあったものは・・・ 「これは?」 「オルゴールよ」 なんのオルゴールか調べようと説明書を探してみるも見つからない。 素人がやったと思えないラッピングだったから気がつかなかったけど、 ご丁寧に箱が移し変えられている。 「とりあえず回してみてくれ」 「あ、うん」 どうしたらいいのかと躊躇をしていると京介が助け舟を出してくれたので、 言うとおりにハンドルを回し続け、もう無理って所まで達したので手を離すと・・・ 「!?この曲・・・」 間違いないさっきまであたしが聞いて、 ちょっとばかし落ち込んでいた曲・・・・『nexus』だった。 「・・・嫌だったかしら」 こー言う時の黒猫は心底不安そう眼をする。 邪気眼中二電波が目立つから自身満々に見えるだろうけど、 実際は逆で自分への自信が足りていないところがある。 これはこれでいいんだろうけど、なんか勿体無いので改善できればなんて思う。 「俺たちがこうやっていられるのはさ、桐乃のお陰でもあるんだ」 「だから私の理想の世界のためにも貴方に『そこに』いてもらっては困るのよ、 この曲は『そう』ではないでしょう?」 ・・ちっ、やっぱり気がついていたか。 黒猫はこの曲に対してあたしがどんな気持ちを抱いているのか知っている。 知っているからこそ、この曲を選びあたしに一緒に歩いていこうと誘ってくれている。 『望む日々にはまだ遠いけれど』 『心は近くに感じれる』 『流した涙を越えて』 『歩き出していこう』 『ハッピィエンドへ』 ・・・うん、そだね。 胸の痛みはまだ残っている。 けれどいつまでも立ち止まっているわけにはいかない。 だったら黒猫の言う理想の世界とやらよりも、もっと先を目指して歩き出していこう。 あたしは本当に良い兄貴と、本当に良い親友を持ったものだと思う、 でもさ、そんなことはしないけれど、もしもまたあたしがライバルとして立ち上がったら、 どうするんだろうね?・・・なんて考えるまでもないことか。 とまぁ今はおいといてだ、まずは今日一日の色々な想いや驚かしてくれたお礼をしようと思う、 この後一体どんな顔するのか楽しみなんだけど、さすがに無反応ってことはないっしょ。 えっと携帯どこやったけ、あ、あったあった、カメラ起動して・・・・ こほん、いい?自慢じゃないけどあたしは自分の気持ちを伝えるの苦手だから、 一回しか言わないからね。 「ありがとう、京介、瑠璃」 -------------------------------------------------------------------------- 「ところでさあんたの首元、なんか「痕」になっているのが見えたんだけど・・・ あんたたち一体何してたの?」 「あなたが知る必要のない事よ」 「文章じゃ平静を保っているように見えるけど、顔真っ赤にしてめちゃめちゃ上擦ってんじゃん声」 「あっ、あれは、その、あの・・・ぁ、ぁ、ぁ」 「ホント何したんだか・・・」